【理科実験】どんな食べものや飲み物が「電池」になるか調べよう!
MOCOPLA大宮教室の片寄(かたよせ)です。
2005年に宇都宮大学の環境教育課程を卒業し、教員養成課程ではありませんが、中高の教員免許(理科)を取得しました。
理科実験は、小学校時代から大好き!
中学校に入って、授業で行った水の電気分解の実験がもう楽しくて楽しくて、科学部に入っていた時期もあります。
MOCOPLA大宮教室では、主に長期休暇中の午後の「いろいろ学習」で理科実験を行うことがあります。
単に「楽しかったね!」で終わるのではなく、主体的に「なぜ?」を追求できる実験を心がけています。
理科実験で大切にしていること
MOCOPLAの理科実験は、以下のような手順を踏んで行うことを心掛けています。
理科実験の基本です。
もちろん「Step4 実験を行う」が子ども達にとってメインになるのですが、その前の予想も、その後のまとめ・考察もとても大事です。
本当は課題からみんなで考えたいのですが、学年が混ざっていて、「理科」という教科がまだ無い学年もあるので、課題はこちらから提示します。
1年生は、知識も経験もない子がほとんどですので、「なんとなく」でしか予想できません。
それでも良いんです。「わからない」「知らない」と投げ出すのではなく、なんとなくでも自分で考えることが大事です。
3年生くらいになると、学校の授業や本などで、ある程度の知識を持っていますので、その知識をフルに使って予想させます。
突拍子のない予想でも良いんです。この段階では、基本的に否定しません。すべてを拾っていきます。
予想した内容を実際に確かめるために、どのような実験を行うべきか。
理由も含めて必要な物品と実験手順を説明します。
Step2では、僕も想定していない「予想」が子ども達から出てくることもあります。
フルに頭を使っているなぁ!と実感します。できる限り、それも加味して実験を組み立てます。
だいたい4~5人を1つのチームとし、手順を確認し実験を行います。
進行をそのグループに委ねてしまうと、実験が好きな子が主導する形になることが多いです。
それにもメリットはありますが、MOCOPLAでは主体的に参加できるようにルールを決め、順番を決めさせ、こちらからも状況により声掛けし、進めます。
本来、知らないことを知るために実験を行います。
いろいろな条件を変えて実験するため、「比較」することが大切で、比較するためには「記録」が大切です。
大学での実験(特に卒論関連の実験)は、予想どおりの結果が得られない(うまくいかない)ことの方が多く、本当に苦労しました。
もちろん、MOCOPLA大宮教室での実験は、事前に予備実験をしていますので、失敗することは(ほぼ)ありません。
得られた結果を、わかりやすく表やグラフで表す方法も学びます。
いくつかの実験結果を比較し、どのような「共通点」があるか、どのような「相違点」があるかを考えます。
そこからわかったこと、考えたこと、新たな疑問などをグループごとにまとめ、発表し、他のグループとも比較します。
どんな食べものや飲み物が「電池」になるか調べよう!
「くだもの電池」をご存じでしょうか?
亜鉛板と銅板をくだものなどに挿し、導線で豆電球とつなぐと点灯します。電子オルゴールなら音が鳴ります。
原子とか、イオンとか、電子とか、電池のしくみは難しすぎるので、今回の実験では説明していません。
くだものに挿すと電池になることを確認し、その前提のもと「何に」挿せば同じように電池になるのかを実験で確認します。
今回は比較することが実験のメイン課題です。
以下の10種類の比較対象を準備しました。
レモン、グレープフルーツ、カボチャ、ジャガイモ、キウイ、
スイカ、チーズ(6Pチーズ)、だいこん、レモン汁、コーラ
全員に資料を渡していますので、1つ1つ予想を書かせます。
今回は豆電球ではなく、電子オルゴールです。
この時、できれば理由も考えて書かせるように声がけします。
予想して、何人かに予想を聞いたら、実験スタートです。
写真には実験シートが写っていますが、このようなシートで予想と結果を、自分の言葉でまとめていきます。
男女による参加姿勢の違いは感じません。
実験前に、いかに興味を持たせるか、確かめたいと思わせるか、総じて実験したい!と思わせるか。
実験が成功するかどうかは、実験前の導入部分にかかっています。
今回は10種類の食べ物、飲み物を準備しました。
実験前の予想では、全チームが「チーズは音ができない」と予想しました。
3年生に理由を聞くと、「硬いから」と。
同じ3年生に「他に音がでないと思うものはある?」と聞くと、ジャガイモとかぼちゃと回答。
理由は同じく「硬い」から。
合っているかどうかは実験で確かめるとして、彼は、きちんと「共通点」を見つけ、自分の理論で予想をしています。
ちなみに「大根は?」と聞くと、「硬いけど、水が多いから鳴る気がする」ということでした。
もしかしたら、彼の「硬い」は「水分が少ない」という意味に近いのかもしれません。
自分のわかる範囲で、なんとか説明しようと言葉を絞り出しています。
「わからない」「なんとなく」で済ませないところが素晴らしいですね!
各チームの結果を発表させ、まとめると上記のようになりました。
結果としては、「電子オルゴールは、全てのもので鳴った」となりました。
こうなると、「他のものではどうなんだろう?」という疑問が出てきます。
いろいろ学習の後は自由時間ですが、実験道具は自由に使って良いことにしました。
ただの水、おやつのゼリー、おやつのクッキー(それぞれ1つだけ許可しました)、食べもの以外では、コピー用紙、鉛筆の木の部分、はさみ(金属部分)、消しゴムなどで試す子もいます。
大人は、なんとなくでも原理を知っているので、コピー用紙や消しゴムで試そうという発想すら出て来ないと思います。
どうやっても音が鳴らないことがわかっているから。
「思いついたもので、とにかくなんでも試してみる!」
このような子ども達の柔軟な発想と行動力は、本当に大事にしたいと思います。